恋にはならないわたしたち
・・・・・・あきらかに事後?
ヤバい。
昨夜の記憶があやふやで、自分の行動が思い出せない。
逃げるが勝ち。
暫く逡巡していた瑞穂はそう決めると、静かにベッドから身を起こす。
「ひっ!」
掛布団が肌から滑り落ち、身体の前面が顕になると、そこかしこに落とされた紅い印が目に入った。
思わず掛布団を身体に戻す。
「・・・・・・日曜なんやしもう少し寝てたら?」
隣の男が欠伸混じりの声で瑞穂の方に向き直った。
ああ・・・・・・気付かれた・・・・・・。
「・・・・・・三池・・・」
ゆっくりと三池も起き上がりベッドの上で胡座をかき、寝癖のついた短い髪を無造作に掻く。
瑞穂が素早くダブルの布団の自分と反対側の方を引っ張って三池の下半身を隠した。
「・・・今更?」
不遜な笑みを浮かべる三池を瑞穂が睨む。
「・・・三池・・・あの・・・昨夜・・・えっと・・・」
「やったよ。回数までは数えてへんけど」
サクッと三池が答え、瑞穂の中の何かがゴリっと削られた。