裏切りからの戦い
『他になんかあるか? もう帰りたいんだが。』
「いや、ない………。」
『なんだ、その歯切れの悪さは。』
「いや、出来れば手合わせ願いたいと思ってな。」
ーザワザワザワ…。
そういった途端周りがうるさくなった。
そりゃ、そうだろう。
私の予想では、今喋ってるのは恐らく炎龍の総長。
そのことを、みんな分かってるのだろう。
総長同士の争い。
ーーーそれは、族の交戦を表す。
「大丈夫だ。私事ってことにすれば。」
私の考えを読み取ったのか、炎龍の総長が言った。
『仕方がねぇな。お前らちょっと下がってろよ。』