冷たい君の不器用な仮面
レイの試み
***
「うう……緊張する」
私はユウの車から降り、大きな総合病院を見上げる。
……飛び出してからというもの、当然レイとは話してもないし姿を見てすらもいない。
レイたちと出会ってから、こんなに会わなかったのは初めてだ。
だから余計に変な緊張が体を走る。
__…いけない、いけない。
こんな所で怖がっててどうするんだ
今から私はきちんとレイに謝るんだから、あの日のこと。
……もう、嫌われてたってしょうがない。会うのも嫌だって思われてても。
__それでも、私は自分でも抑えられないほど頑固だから。
私がってしまったことは、きちんと謝ってスッキリしてからレイたちと離れたいんだ。
まあ、はっきり言えばこれもただの私のワガママ。
そんな私のワガママを、レイはきっと聞いてくれるから。
どんなに嫌な奴だったとしても、最後まで耳を傾けてくれるから。
……私はそれに、甘えさせてもらうよ。