私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「…季龍さん」

私は忘れてる。何を?…真実を……?

どうして忘れてるんだっけ?

『琴葉、忘れていいの。忘れて、忘れなさい』

ダメだ。思い出したら、ダメなんだ…。

思い出したら、“殺される”。

「琴葉ちゃん、思い出すんだ」

「え?」

源之助さんに視線を向ける。その目は、本気だ。

「…源之助さん」

「琴葉ちゃん、終わりにしよう。君を苦しめる過去から逃げるのは、これで終わりにする」

「…」

終わりにする。

それは、はじまりの合図。

同時にそれは、終わりの合図…。
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