私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

こ、これどうしよう…。

冷や汗が背を撫でる。いつまでも視線をそらしてるわけにはいかないけど、季龍さんの顔を見るのが怖い…。

ええいっ!どうにでもなれ!!

意を決して振り返ろうとしたとき、肩に何かをかけられた。そしてすぐに肩を抱かれて引き寄せられる。

「風邪引くだろ。んな格好でいるんじゃねぇ」

「…」

耳元どころか、体越しに伝わってくる声に心臓が高鳴る。

顔が熱くなるのに気がついて慌てて下を向く。

こんなんじゃダメなのに。好きになっちゃダメだったのに…。

自覚してしまった時点でそんな自制、効くわけないってわかってる。でも、この気持ちは押し殺さないといけないもの。

ゆっくり息を吸う。落ち着け。大丈夫、大丈夫だから。
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