私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

ゆっくり息を吐いて、季龍さんを見上げる。漆黒の瞳に自分の姿が映る。笑えてた、かな?

「ありがとうございます」

「…琴音」

もともと近い距離が縮められる。抵抗はしなかった。

触れた部分が熱い。その熱が心地よくて、嬉しくて、気づけば季龍さんの服に手を伸ばしていた。

「行くぞ」

「っん…」

意図も簡単に抱き上げられて、慌てて季龍さんの首に腕を回す。想像以上に近い距離に驚いて、季龍さんの肩に額をつける。

「あ、歩けます」

「うるさい。湯冷めしてんだろ、大人しくしてろ」

拒否権なんか認めないと言うような季龍さんに運ばれるまま。ついたのは季龍さんの部屋だった。
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