私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「ごきげんよう」
不意にかけられた声に振り返る。キレイに着飾った同い年くらいの女の子がいた。
…どこかで見たことがあるような。
「初めましてですよね。私は白土美麗と申します。あなたのお名前は?」
名前を聞いた瞬間に思い出す。香蘭学園で1番お嬢様気取りで見下してきたクラスメイトだった人。…気取り、じゃないか。
って、そんなことより。よりによって元クラスメイトに会うなんて。で、でも向こうが私に気づいた様子はない…から大丈夫かな?
少しヒヤヒヤしていると、白土さんの視線が全く重ならないことに気付く。視線を追うと、怪訝な顔をした季龍さんに向く。
…そういえば、白土さんってメンクイだったっけ。大方、季龍さんの容姿に引かれて声かけてきただけかな。
「琴音」
知り合いか?と言いたげな顔を向けられる。
知り合いだけど、特に親しかった訳じゃないしなぁ…。苦笑いしてみると、何となく察してくれたのか労るように肩を叩かれた。
「あら、可愛らしい方ですね」
今気づいたと言わんばかりの言葉と共に向けられた笑みに嫌悪感しか沸いてこない。
邪魔と言うような目に呆れるしかない。
変わってないなぁ、この人…。