私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
持って来たものを全て集め、部屋を出る。
疲れてるせいか、時々琴音を揺さぶり起こしそうになる。無理矢理、何とか目覚めないかと頬を殴ったこともある。
でも、何をしても琴音は目覚める気配すら見せずに眠り続けている。
まるで、現実を拒否しているような琴音に焦りをどれだけ感じたか。もう、数えきれない。
でも、それでも。琴音が生きてることに僅かながらの希望を見失わずに済んだ。
「若、おはようございます」
「奏多か」
「今日は俺が琴音ちゃんにつきます」
「分かった。頼んだ」
「後片付けは俺がやっておきますよ」
「いや、いい。お前は暁たちを手伝ってやれ」
手を伸ばしてきた奏多をかわして前に進んだ。