私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
…源之助さんが欲しがってた記憶はこれなんだ。
なら、源之助さんの敵は目の前にいるこの老人だ…。
さっきの質問に答えなきゃ…でも、体が言うことをきかない……。
立っているのすらしんどくて、季龍さんの手がなければ座り込んでしまいそうだった。
「…琴音」
体が浮かんだのと同時に、周囲から驚きの声が上がる。
「失礼する」
季龍さんは手短にそう言うなり、会場の外に向かって歩き出す。
自然と人がはけていくのは、季龍さんの覇気がそうさせるの…?
「待ちたまえ」
制止の声と共に会場の出入口はガードマンに塞がれる。
白髪の老人は余裕の笑みを浮かべたまま。