私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
30.対峙
誰のせい?
「…」
あ、れ…?見えたのは見慣れた天井。
…私あのまま寝ちゃったんだ。
「琴音ちゃん、大丈夫?」
「ことねぇ!」
目が覚めたことに気付かれて、向けられた視線は4人分。
奏多さん、暁くん、梨々香ちゃん、そして…。
「気づきましたか」
あの時より、シワの増えた田部さん…。
「ことねぇ!まだ寝てた方がいいよ」
「ありがとう、梨々香ちゃん。…でも、今聞きたいことがあるんだ」
起き上がろうとしたところで梨々香ちゃんに止められるけど、笑いかけると肩を貸してくれた。
その厚意に甘えて身を起こして田部さんに視線を向ける。
聞かれることを分かっているように、田部さんの表情は落ち着いたものだった。