私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「だからことねぇ、自分を責めないで。戦って!ことねぇを大事にしたい人、みんなことねぇが傷つくのなんて望んでないもん!」
「…梨々香ちゃん」
…分かってる。分かってるはずなのに、誰かにかけられる言葉のはずなのに、どうしても拒もうとする自分がいる。
そんなの、変だって分かってるのにな…。
「ことねぇ、お兄ちゃんのために戦って」
「季龍さんの、ため?」
「うん!だって、ことねぇのことお兄ちゃんは大切で、大好きなんだもん!大好きな人が倒れたら、悲しいでしょ?」
「…ッ」
頬が真っ赤になるのが分かる。
そ、それは認めるの困るなぁ…。でも、認めないのもなんか寂しいというか……。って、寂しいって何!?
「ことねぇ顔真っ赤~かわいい」
「ッ…意地悪しないでよ」
「えへへ~」
下心溢れる笑みに苦笑いするしかない。
…でも、元気付けようとしてくれてるんだよね?そっと梨々香ちゃんの頭を撫でると、正面から抱きついてくる。
そんな梨々香ちゃんを離す気にはなれなくて、抱き締め続けた。