私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

部屋に戻った途端、足の力が抜けてその場に座り込む。

…私、何て言った?何を、考えたの?

顔が熱い。心臓がうるさいくらい鼓動を打って、ズキズキする。胸が、苦しい…。

どうして?ダメだって、止まれって。ずっとずっと分かってたのに。

止まらない。気持ちは加速するばかりで結局、かけようとしたブレーキは全部意味をなさなかった。

願ってしまった。守られることを、隣にいることを。愛されたいと、祈ってしまった。

この気持ちの名前は…。

「季龍さんが、好き」

言葉にするなり頬は熱を増して、驚くほどすんなりと心に落ちる。

この気持ちの名前は、恋、だよね…。

認めたくなった。信じたくなかった。

でも、もうダメだ。止められない。私は、“葉月 琴音”は、“宮内 琴葉”は、永塚季龍のことが好きなんだ。
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