私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「久しいな、源。まさか、お前にこんな美人な孫がいたとはな」
「それはバカにしとるのか?残念じゃが、琴音は養子でな」
上部だけの会話を繋ぐ総一郎と源之助の雰囲気は、互いに相手に刃を突き付けるような緊張感があった。
互いの腹を探り合うその姿は、まるで立合をした侍だ。
だが、その空気を先に破ったのは総一郎だ。
「客間に案内しよう。挨拶はそこで」
「あぁ、そうしようか」
大きく開かれた玄関を潜った源之助は、チラッと琴音を見たが、何事もないように総一郎の後ろに続く。
客間に通された源之助と琴音。だが、一緒についてきた4人は、使用人に道を塞がれる。
「お付きの方々は別室でお待ちください」
「しかし…」
「いい。待っていなさい」
源之助の言葉に反論は止む。