私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「久しいな、源。まさか、お前にこんな美人な孫がいたとはな」

「それはバカにしとるのか?残念じゃが、琴音は養子でな」

上部だけの会話を繋ぐ総一郎と源之助の雰囲気は、互いに相手に刃を突き付けるような緊張感があった。

互いの腹を探り合うその姿は、まるで立合をした侍だ。

だが、その空気を先に破ったのは総一郎だ。

「客間に案内しよう。挨拶はそこで」

「あぁ、そうしようか」

大きく開かれた玄関を潜った源之助は、チラッと琴音を見たが、何事もないように総一郎の後ろに続く。

客間に通された源之助と琴音。だが、一緒についてきた4人は、使用人に道を塞がれる。

「お付きの方々は別室でお待ちください」

「しかし…」

「いい。待っていなさい」

源之助の言葉に反論は止む。
< 152 / 407 >

この作品をシェア

pagetop