私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「次は、お話しましょうね。2人っきりで」
「ッ…」
耳打ちされた言葉に正裕の頬は勝手に高揚する。そんな正裕をくすりと笑った琴音は、女性の使用人にたしなめられて車に乗り込んでいく。
「失礼いたします」
主たちが車に乗り込むと、使用人たちは一度頭を下げた後に車に乗り込んでいく。
去っていく車を見送った正裕は、耳を抑える。
『次はお話しましょうね。2人っきりで』
…やっぱり、違う。
何が起ころうとしてるのか。
正裕にはわかりかねて祖父を見たが、祖父は既に屋敷の中に戻り、父の元に向かっていた。
誰にも聞くことが出来ないもやもやを抱えたまま、正裕は大きくため息をついた。