私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
2回目の対面はその日から1週間後だった。
1回目と同じように女性1人と、男性3人の使用人を連れてやって来た源之助と琴音を出迎えたのは総一郎だ。
当然のように共に出迎えをする正裕は、逃げたい本心を何とか隠していた。
隠す相手が琴音たちではなく、祖父に向いているような気がして正裕は慌てて頭を振る。
「正裕、屋敷を案内して差し上げなさい」
「ッ…は、はい」
総一郎からの声かけに正裕は、思わず返事をしたものの、微笑んでいる琴音を見て固まる。
まさか、2人っきりなのか…。脳裏を掠めた記憶に、思わず琴音から視線を外した。
「琴音様、傍に控えております」
琴音に寄り添う形で傍についた女性の使用人に正裕は、そっと息をつく。
何かあれば彼女が割って入るだろう。そんな安心感に胸を撫で下ろした正裕は、気を取り直して琴音と視線を合わせる。