私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
当初の策では使用人に扮した季龍さん、信洋さん、平沢さん、私の4人で面会中に屋敷内を捜索し、陣之内家の不正を探すはずだった。
でも、見張りをつけられた。
そして、見張りの使用人たちを買収しようとしても彼らは応じなかった。
でもラッキーだったのは、それを雇い主に知らせなかったこと。
今陣之内家に仕えている使用人たちは、あくまで淡々と彼らの仕事をこなすだけだった。
主人に忠誠を誓っているわけではない。働いた分の報酬を貰うため、面倒事には首を一切突っ込まない。
そのスタンスに救われた。
ただ、知らされなかっただけで見張りは解かれない。強行突破をすることは、直結で源之助さんと梨々香ちゃんに命の危険が及ぶ。
それだけは出来なかった。
唯一の想定外は梨々香に付いた私が自由に動けること。
だから、必然的に私が動くしかなかった。自ら志願したと言ってもいい。
終わらせる。その決意を鈍らせないために。