私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「無理はするなよ」
「はい」
「ここちゃん、緊急事態の時はこのスマホの電源を間隔を1秒開けずに2回押すんだよ」
目の前に差し出されたスマホを受け取ろうとしたところで手を離されて、慌ててキャッチする。
信洋さんに文句を言おうと顔をあげた途端に頭を強引に撫でられた。
「なんですかっ!!」
「ここちゃん、絶対押してよ」
「…」
念を押された。信洋さんは私が押さないと想定してる。
…押して、みんなが危険にさらされると私がわかってるから、念を押してきた。
…分かってて言うんだから、ほんとにたち悪いなぁ。
「だーいじょうぶだって!頭は平沢さんが守るし、あとは全員自分の身は自分で守れるっ!!」
「…ケンカ、私より弱いのにですか」
「ここちゃん、それ今言わなくていいから」
真顔の信洋さんの顔を見てたけど、笑えてきて吹き出す。
途端に車内に響いた笑い声に、信洋さんは拗ねてそっぽを向いた。