私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「琴音、必ず助けに行く。信じろ」
季龍さんの言葉に笑いも引っ込む。
…それは、弱いかも。
季龍さんの視線からそらすことは、裏切りのような気がしてそらせなかった。
「…はい」
そう返事することしか出来なかった。
もう一度息を吐く。
今日で終わり。今日で、過去から、囚われから、呪縛から…。今日で、全部終わりなんだ。
「着きますよ」
平沢さんの声に全員の気が引き締まる。
あのお屋敷が見えてくる。全てが始まった場所。全てが、終わった場所。
そして、終わらせる場所。
「さて、行こうかの」
源之助さんの言葉が始まりの合図だ。