私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「琴音、必ず助けに行く。信じろ」

季龍さんの言葉に笑いも引っ込む。

…それは、弱いかも。

季龍さんの視線からそらすことは、裏切りのような気がしてそらせなかった。

「…はい」

そう返事することしか出来なかった。

もう一度息を吐く。

今日で終わり。今日で、過去から、囚われから、呪縛から…。今日で、全部終わりなんだ。

「着きますよ」

平沢さんの声に全員の気が引き締まる。

あのお屋敷が見えてくる。全てが始まった場所。全てが、終わった場所。

そして、終わらせる場所。

「さて、行こうかの」

源之助さんの言葉が始まりの合図だ。
< 164 / 407 >

この作品をシェア

pagetop