私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
車から降りれば、もう見慣れてしまった出迎えが待っていた。
陣之内総一郎と、その孫の正裕。2人の対照的な表情が並んだ出迎えは、初めこそ戸惑ったけど、今では当たり前になってる。
それが、少し怖くなった。
「長旅ご苦労でしたな」
「なんの、孫のためなら多少の無茶もする」
あくまで口先だけの会話を交わした総一郎と、源之助さんはそのまま屋敷の中に入って行く。
残された私たちは、これも当たり前になった案内がつく。
「使用人の方はこちらへ」
「琴音さん、ご案内します」
陣之内家の使用人に案内される男性陣と、正裕に案内される琴音とその使用人。
別れる直前、季龍さんに肩を叩かれたのは、忠告のように感じた。