私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「ありがとう」
「…うん」
閉じていたドアを開けて外に出る。
出て、右の突き当りのドア…。あれかな。
誰もいない廊下に違和感を覚えなかったわけじゃない。それでも、進まないという選択肢は選べなかった。
はやる気持ちを抑えて進み、ドアの前に辿りつく。ドアノブに手をかけると、あっさりと回った。
鍵がかかってるものだと思っていたのに…。罠?それとも、偶然?
ダメだ。何もかも疑心暗鬼になる。時間は限られてるのに、足が思うように進まない。
嫌だ、怖い…。行きたくない。この先に行ったら、殺される…。
ッ行くんだ。罠でも、何でも進むしかないんだから。
ドアは目の前。息を吐く。
データを盗み出す。そのために来たんだ。ドアノブに手をかけた瞬間、一気に開け放った。