私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「ありがとう」

「…うん」

閉じていたドアを開けて外に出る。

出て、右の突き当りのドア…。あれかな。

誰もいない廊下に違和感を覚えなかったわけじゃない。それでも、進まないという選択肢は選べなかった。

はやる気持ちを抑えて進み、ドアの前に辿りつく。ドアノブに手をかけると、あっさりと回った。

鍵がかかってるものだと思っていたのに…。罠?それとも、偶然?

ダメだ。何もかも疑心暗鬼になる。時間は限られてるのに、足が思うように進まない。

嫌だ、怖い…。行きたくない。この先に行ったら、殺される…。

ッ行くんだ。罠でも、何でも進むしかないんだから。

ドアは目の前。息を吐く。

データを盗み出す。そのために来たんだ。ドアノブに手をかけた瞬間、一気に開け放った。
< 167 / 407 >

この作品をシェア

pagetop