私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

『ッ琴葉!!』

…間違いない。ここだ。

ここで、おばあさまは殺された。

巨大なモニターと、独立した操作盤が階段下に見える。

ドアを押し開けてすぐに地下へ続く階段が現れる。一瞬フラッシュバックした記憶に息が詰まった。

ドアを閉めると視界が悪くなる。転ばない様に階段を下っていくと、機械音が聞こえてくる。パソコンの排気音もする。

手が勝手に震えはじめる。

『ここちゃんここにするー!』

自分の声が聴こえる。そんなこと、あるわけないのに。

階段を降り切る。

『殺せ』

『動かないでね。痛いの嫌でしょ?』

耳の奥に心臓があるみたいだ。嫌な汗が全身を舐める。
< 168 / 407 >

この作品をシェア

pagetop