私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
暁くんを追い、階段を上がっていく。
互いに言葉を交わさないまま、元の部屋に戻ってくる。そこで待っていた正裕は、暁くんが持つUSBを見たものの、それについて言及してくることはなかった。
そして、タイミングを計っていたかのように現れた使用人が、源之助さんの帰りを告げる。
その言葉を受け、初めに動いたのはやっぱり暁くんで、その背を咄嗟に掴みかけた自分の手を抑える。
何を言うの?何が言えるの?
…自分で決めた言葉など、話せない私が言えることなんか何もないのに。
「…ごめんなさい」
伝えてはいけない。伝えられるわけない。
これは、私への罰だ。