私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
源之助さん、季龍さんたちと合流する。
季龍さんの視線に頷けば、気づかれないように頭を撫でられる。
その季龍さんの行動に信洋さんも作戦の成功を悟ったようだった。
「それでは、次は婚約会見で」
「えぇ、そうですな」
婚約会見まで話が進んでいたなんて…。
想像以上に話が進んでいることに驚きそうになったのを堪える。
車に乗り込んでいく源之助さんを見つめる。視線は重ならないことは分かっていたけど、思わず見つめてしまうのは、抵抗なのかな…?
自分のことすらはっきりわかっていないことに気づいて、少しだけ笑えてきた。
「琴音」
季龍さんに車に乗るように促されて、状況を思い出す。
見送りを続けている2人に頭を下げ、車に乗り込む。すぐに季龍さんたちも乗り込み、車は走り出す。
車内では、無事にデータを盗み出せたことを安心し、ほめてくれる言葉を信洋さんを中心にかけてくれたけど、屋敷に戻っても、暁くんと言葉を交わすことはなかった。