私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「何もせんでいい」
「え?」
パスワード解除におばあ様の声が必要なことを源之助さんに伝えて、返ってきた言葉に思わず間の抜けた声が漏れる。
何もしなくていい…?それって…。
「諦めるのかよ」
「いいや。当初の通り、婚約会見は行う」
「は?琴音をみすみす奴らに渡すつもりかよ!!」
季龍さんの怒りに困惑も何もかも消える。でも、源之助さんは何も動じない。
「異論は認めん。お前たちは言われた通りに動け」
「親父!!」
「話は終わりだ。季龍、琴葉、出て行きなさい」
源之助さんの有無を言わさない言葉に、それ以上の話はできず、怒りを押さえきれないままの季龍さんと共に部屋を出る。