私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「奏太、まさか、今日が婚約会見なのか!?」
奏多さんも同じことを思ったのか、すぐに声を上げる。一瞬きょとんとした顔をした奏太さんは、悪気もなくそうだけどなんて言う始末だ。
…今日、だったんだ。
そんな大事な連絡さえしてくれなかったことに、愕然とする。
私は、ただの道具なのかもしれない。そんな考えが過って、少しだけ笑えてきた。
「何時から?場所は?」
「平沢さんが乗っけて行ってくれる。兄貴と暁さんでお姫様をボディガードだってさ」
「他には?」
「何にも。俺も昨日の夜、お姫様の身支度整えて来いって言われただけだから」
奏太さんは、困ったような顔をして、それ以上の質問を拒んだ。