私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「…暁、くん。あの……」

「…悪かった」

突然の謝罪に耳を疑う。

どうして?暁くんが謝ることなんか、ないはずなのに…。

暁くんは大きくため息をつくと、顔を隠すように右手で前髪をわしづかみにする。

「お前がいくら言ったって、銃を空砲に出来るわけない。はじめから決まってたんだよ。俺に銃を持たせるわけなかったんだ」

「…っちが」

「琴音、親父さんから言われたんだろ。隠さなくても、もうわかってる」

暁くんの確信めいた言葉に、それ以上何も言えなくなってしまった。

…そう、これも源之助さんの指示。暁くんの銃を空砲にさせたのは、私がお願いしたからだと暁くんに伝えるようにと。

やっぱり気付かれてしまった。

そして、源之助さんのへの不審は暁くんの中で広がっていく。

事実を知った、奏多さんたちだって、きっと……。
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