私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

押し黙っていると、背後に駆け込んできた奏太さんに肩が跳ねた。

「お姫様からも言ってよ!!あいつらおかしいって!」

「自業自得だろ」

「暁見捨てるなっ!!」

涙目の奏太さんが段々かわいそうになってきて、奏多さんと平沢さんをなだめると、奏太さんに拝まれてしまった。

そんなおふざけが嘘のように、奏太さんは真剣に私にヘアメイクを施すと満足そうに笑った。

「完成っと。お姫様、似合ってんよ」

「へぇ、奏太にしてはよくやったね」

「どういう意味だよ!!」

「胸元開きすぎじゃねぇか?肩になんかかけるもんは…」

「平沢さん、父親臭いっす」

口々に話を進める4人を背に、鏡に映った自分を見る。

…やっぱり、人形みたい。さっかくきれいにしてもらっといて、そんなこと言うの変だよね…。

そうは思っても、どれだけ見てもその認識は変えられなかった。
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