私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
救いの手
「おぉ、これはこれは美しい」
まるで、絵画や彫刻を見るかのような目と感想に、作り笑いでさえ、自信がなくなる。
じろじろと、品定めでもするような目に、吐気がしてきた。
ホテルに入ると控え室と言って通された部屋に、陣之内総一郎と正裕が待っていた。
もちろん、源之助さんたちの姿がないことには驚いたけど、退室するわけにもいかずご機嫌取りのように笑うことしかできなかった。
「お爺様、琴音さんが困っていらっしゃいます。その辺にしてください」
「お?そうかそうか。これは失礼した」
彼からの仲裁には正直驚いたけど、助かった。
息をつくのをばれないないようにしつつも、胸を撫で下ろさずにはいられなかった。