私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

陣之内家の闇がそこにあった。

誤魔化すことすらしない、明記されたファイル名には裏取引、偽装文書とあまりに堂々としたものが並ぶ。中には、臓器売買や薬物など、おぞましいものまで並ぶ。

陣之内家は、一体どれだけの悪事を働いてきたのか目を疑いたくなる。

信洋さんはそのファイルの中から人身売買の項目を見つけ出す。

そのファイルの中には、コード1、コード2と更に2つのファイルが並ぶ。

そのうちの、コード2を開いた信洋さんは、私に視線を向ける。

「ここちゃん、これはここちゃんで間違いないね」

信洋さんに確認を求められた画面には、間違いなく私の“宮内琴葉”の個人情報と、売却価格1000万が表示されていた。

「間違いないです」

断言すると、がっくりと項垂れた陣之内総一郎と、満足そうな笑みを浮かべる源之助さんの姿が見えた。
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