私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「なぜだ。…なぜ、お前はわしの邪魔ばかり」

陣之内総一郎が狙うのは、おばあ様。

瞬時に頭は理解して、体は自然とおばあ様の盾になるように立ち上がる。

「琴葉ちゃん!どきなさい!!」

「…いつも、いつも、いつも」

「もう、やめてください」

陣之内総一郎の動きがピタリと止まる。血走った目が向けられたけど、怖くもなんともなかった。

「こんなことをして、罪を増やさないで」

「黙れ…」

「琴葉ちゃん!」

「これ以上、不幸をばらまかないで!!」

「ッ黙れ!!!」

銃口が向けられた。

だが、陣之内総一郎の抵抗はそこまでだった。

カラカラと音をたてながら床を滑っていく拳銃。床に倒れた陣之内総一郎はピクリとも動かない。彼を殴り飛ばした季龍さんは、冷めきった目で彼を見下ろしていたけど、その目を急に向けられた。
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