私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「琴葉ちゃんにこんないい男性が出来たなんて知ったら、お父さん発狂しちゃうわね」
「…ッ」
顔が熱くなるのが分かる。いい男性って、季龍さんと付き合ってるわけじゃないのに!!
「いろはも、喜んでいたでしょうね」
反論しようとした言葉は、おばあ様から出たいろはという名に消えてしまう。
…いろは、宮内いろは。……私の、お母さんの名前だ。
「…琴葉ちゃん。あなたはね、私の本当の孫なの」
「…え?」
孫?…どういうこと?おばあ様が、私の本当のおばあちゃん?
突然の告白に頭がついていかない。
「あなたのお母さんの旧姓は、陣之内。陣之内いろはなの」
「そして、私の姉だ」
不意に話に入ってきた声に顔を上げる。いつからそこにいたのか、旦那様…陣之内誠一郎はまっすぐに私を見つめていた。