私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

突撃してきた警官隊が撤収していく。

その様子を見つめていると、1人の警察がフルフェイスのヘルメットを外し、近づいてきた。

「宮内琴葉さんですね」

「ッ!?」

フルネームで呼ばれたことに思わず肩を揺らす。その反応に相手は確信したようだった。

「行方不明者として、捜索願が出されています。一緒にいきましょう」

差し出された手に心が揺れる。季龍さんを見上げると、視線が重なる。

ここで警察について行けば、お父さんのところに帰れる。成夜にも会える。

…でも。……でも、その必要はきっとない。

季龍さんの手を握る。警察の人に視線を向け、笑みを浮かべた。
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