私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「戻ったら逃げるな」
呟かれたひと言に季龍さんを見ると、勝ち誇ったような笑みを向けられる。
…私、明日の朝日拝めるかな……?
あまあまな季龍さんに、どうしようもなく心臓は高鳴った。
「…ほらほら、戻るんだって!!続きは部屋でもどこでも勝手にすればいいからっ!!」
我慢の尾が切れたのか、信洋さんはほぼ強引に季龍さんを引き離しにかかる。
もちろん季龍さんは一瞬で不機嫌な顔になったけど、逆らうことなく出口に向かい始める。それを見た奏多さんと暁くんもそれに習う。
「琴音、親父行くってさ」
タバコの火を揉み消した平沢さんの言葉に続こうとして、先程から全く言葉を発していない源之助さんのことを思い出して振り返る。
源之助さんは、軽くうつむいていて表情が読めない。