私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「琴音、お前についてきてほしいところがある」
「…どこに行くんですか?」
「…明朝に出る。少しでも、休んでおけ」
まぶたを覆い隠すように手で覆われる。
まるで、これ以上何も聞くなと言わんばかりだ。
口を閉ざし、季龍さんの手に意識を向ける。
暖かい。こんなに暖かいのに、どうして冷たいなんて…。
「おやすみ。琴音」
意識が離れていく。まだ、寝たくないのに…。
「…………………」
だめ、声が…聴こえない。
薄れた意識は留まることなく、夢の中に落ちて行った。