私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
遺されたもの
目を覚ます。
…もう、朝なんだ。…とは言っても、まだ薄暗くて全然朝、だなんて思えないけど。
身を起こす。…昨日、季龍さんが座っていたところに手を伸ばす。
…冷たい。
…何、考えてるんだろう。
そんなこと、望んだって、叶うわけないのに。自然と浮かんだ笑みはこぼれ出て、何かを一緒に落としていく。
「琴音」
意識が返る。襖に肩身を預ける季龍さんに視線を向ける。
…いつから、そこにいたんだろう。全然、気づけなかった。