私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
結局、病院の住所をメモさせてもらってタクシーを降りる。
休む間もなく電車の改札へ向かうと、窓口で病院のある県の新幹線の止まる駅を尋ね、そこまでの切符を購入する。
探り探りの行動に疑問を感じながら、季龍さんの手に導かれるままに電車に乗り込んだ。
流石にまだ人はまばらだ。開いている席に並んで座る。季龍さんはつまらなさそうに肘掛けに肘をついた。
「…あの、どうしてスマホで調べないんですか?」
「…お前、持ってきたのか」
「え、あ…はい」
「出せ」
片手を差し出してきた季龍さんに、ポケットに入れていたスマホを渡す。
すると、すぐに季龍さんは電源を落としてしまった。