私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

その後駆け付けた医者は、琴音は目覚めてはいるが、琴音自身の感情が表に出ていないという状態ではないかと診断した。

ただ、感情が出ていないだけで、琴音の意思はそこにあるのかもしれない。

“かもしれない”というあくまで分からない診断だった。

でも、俺を視線で追う琴音に、もしかしたら表情がないだけで、体が動くようになったら自分で好きに動いてくれるんじゃないかと期待が生れた。

その日から、琴音は起きたり起きなかったりの生活が始まった。

やることはたいして変わらない。でも、半年間眠り続けた体を動かせるようにするにはそれなりのリハビリが必要で。

奏多、暁、奏太の3人がリハビリの先生に直接指導を仰ぎ、本格的なリハビリが開始された。

相当きついはずのそれを受けても琴音は表情を変えない。そもそも自分の意思で動こうとしているのかも分からない。

それでも、奏多たちは諦めることなくリハビリを行い続けた。
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