私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「…ん」
あれ、私寝てた…?
体を起こすと、あちこちが痛い。変な体制で寝てしまったらしい。
時計を見れば、午前1時を指してる。しまった。夜食べ損ねちゃった。
自覚するととたんにお腹が減ってきたような気がして、気休めに水を飲む。
何か買いに行きたいな…。でも、季龍さんに外出るなって言われてるし…いや、そもそも私お金なんて持ってない。
僅かな希望でルームサービスを見てみるけど、受け付け時間をとっくに過ぎていた。成す術がないことを確認して、備え付けのお茶をいれる。
…変に目が覚めちゃったな。
テレビがあるのを見て、リモコンに手を伸ばしかけたけど、その手は途中で止まる。
…季龍さんの意に反する。
分かってる。季龍さんが私にメディア関連を見せたくなかったのは、私自身のことがニュースになっていることを、私が私の状況を把握するのを止めたかったからだ。
でもきっと今はそんなこと、どうでもいいはず。
そう思っても、染み付いた使用人としての考えが、主の意に反する行動をとるのをよしとしない。
結局伸ばした手は下ろされて、手持ちぶさたになる。