私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

その後、私が暖まった頃合いを見てホテルを出る。

会計の場でルームサービスをとっていないことがバレて少し睨まれたけど、駅でとても食べきれない量のサンドイッチを買ってくれた。

始発の新幹線は人がほとんどいない。

景色が流れていくのを見つめていると、口元にサンドイッチを押し付けられた。

「ちゃんと食え」

「もうお腹いっぱいでっんぐ!?」

「半分食べただけだろうが」

口のなかに強制的に入れられる。抗議の視線を送っても、それ以上の圧を感じて大人しく口を動かした。

季龍さんを見れば、まるで監視するように私を見つめていていた。

「季龍さんも食べてないじゃないですか」

「お前が食べたら食う」

それはズルいです。

もうひと口サンドイッチをかじったところで、口を押さえて深くうつむく。
< 264 / 407 >

この作品をシェア

pagetop