私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「どうした?」

顔を近づけてきた季龍さんにふふっと笑みが浮かぶ。それを押さえて、琴音?と呼ばれた直後、持っていたサンドイッチを季龍さんの口のなかに押し付ける。

反射的に口を押さえた季龍さんはしばらくして、凄む視線を送ってくる。

それでも全然怖くなくて、自然と笑いが込み上げてくる。

季龍さんは呆れたような顔になって、残りのサンドイッチを食べる。

それを食べ終わってもまだ笑っていると、デコピンを食らい、今度は本当に痛みに耐えるためにうつむいていると、隣から笑いを堪える声が聞こえてくる。

顔をあげれば、笑っている季龍さんと視線が重なった。

「痛いです」

「痛くしたからな」

「意地悪…」

「お前が悪い」

頭を撫でられるとそれ以上何も言えなくなる。

…やっぱり、ズルいです。
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