私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「お前は、季龍を強くする。いや、季龍だけじゃねぇ。俺も、信洋も、奏多も暁も。俺たちを強くする力がある」
「買い被り過ぎです」
「自覚は持たなくていい。お前はそのままでいい。…そばにいるだけで、お前を守るために俺たちは強くなる」
煙草を揉み消した平沢さんは、膝をついて立ち上がる。
そして、着ていた半纏を私の肩にかけて笑う。
「寝れねぇくらい悩め。悩んで、悩めばいい。…これからの人生を決める大事な決断をするって自覚しろ」
「…」
「悩んで、悩んでそれでも。裏の世界に来るっつうなら、俺が命懸けで守ってやる」
「ッ!!」
平沢さんはニヤリと笑みを浮かべ、私の頭をくしゃくしゃに撫で、手をひらひらさせて部屋に戻っていく。