私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「そうだな」

笑うのを堪えながら、季龍さんは立ち上がる。その手に引かれて立ち上がった。

「広間にみんないるよ」

調子を取り戻した信洋さんが笑みを浮かべて廊下を示す。

季龍さんと顔を見合わせ、廊下を進む。

準備急ピッチで終わらせたのかな?予定より早い時間だよね。

大慌てで準備する組員さんと、それを指揮する梨々香ちゃんの姿が想像できて、思わず笑ってしまった。

笑っている間、季龍さんに怪訝な顔を向けられたけど、問い詰められることはなかった。

広間の前に到着する。

どうするかな?私だったら、襖開けた瞬間にクラッカーでお出迎えする。となると、季龍さんに開けてほしいよね?

季龍さんを前に出そうとすると、なぜか背中を押される。振り返ると、早く行けと言わんばかりの顔をしている。

いやいや、今日の主役となる人が後じゃダメですよ。

「季龍さん先行ってください」

「お前が開けろ」

「え…あ、でも…」

歯切れが悪くなる。こういう時、どういう言い訳が通じるんだろう?

考えていると、不意に背後の襖が開く。振り返ったと同時に飛んできたものに思わず目を閉じる。
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