私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「座るか」
縁側に腰掛けた季龍さんは、自分の隣をトントンと叩く。隣に腰掛けると、肩を引き寄せられる。
寒いはずなのに、全然寒くない。風が吹いて髪が揺れる。
…切ったとはいえ、伸びてきたかな?毛先をつまんでねじってみる。そういえば、結局髪色白いまんまだなぁ…。
「…染めるか?」
髪を梳かれる。顔を向けると、季龍さんの指から髪が離れていくところが見えた。
「元は黒かったろ。染めたいって思わないのか?」
「…いいです」
「遠慮しなくてもいい」
「いいえ。…これは、私が勝った証です」
一夜で真っ白になった髪。初めは変だって思ってたけど、今では誇れる。
私は、あのどん底から戻ってこれた。闇の世界で生き抜いた証だ。