私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「風呂入ったら、俺の部屋に来い。お望み通り、離してやんねぇから」
「ッ…」
余裕を見せつけられたような気がした。でも、ほんの少しだけ赤い頬が、そうじゃないと教えてくれる。
頷くて見せると、捕まれた手は離される。
急いでその場を離れるけど、季龍さんから見えない位置まで来ると、どっと疲れが襲ってきて壁に背をつける。
持久走の後みたいだ。心臓が全然落ち着かない。
早くお風呂入ってきたいけど…。って、季龍さんのところに行きたいとか、そういう意味じゃなくて!!
って、私誰に言い訳してるの?
…落ち着こう。うん、落ち着こう。
深呼吸をして、心臓を落ち着かせる。
「はぁあ、いつからこんな…」
言葉を止めて苦笑する。考えたって無駄かな。
壁から背を離してお風呂場に向かった。