私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「ッチ」
「わわ!!?」
急に体が持ち上げられて思わずしがみつく。
至近距離にもう息をするのすら苦しいです…。
「離したと思ったら近づいて来るし、近づいたと思ったらんな顔して。どうしろってんだ」
「え、あ……」
「俺の好きにする」
頭を肩に押し付けられ、耳元にかかった吐息に今度こそ息が止まる。
「大人しくしてろ」
「…ッコク」
頷くので精一杯。
それでも伝わったのか、頭を撫でてくれる手はすごく優しかった。
抱っこされたまま季龍さんの部屋に入るなりベッドに放られる。続けざまにベッドに横になった季龍さんの腕の中に収めれた。
頭に手が回され、季龍さんの胸に額をつける。なにも話さなかったけど、その沈黙が心地よく感じられた。
「…明日、お前の親父さんに会いに行く」
「え?」
不意に告げられた言葉に耳を疑う。
季龍さんを見上げると、優しい目をしてくれていた。