私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「約束しただろ。待たせちまったが、もう大丈夫だ」
「…はい」
お父さんに会える。
ここに連れてこられてから、ずっと目標にしていた。生きるための理由にしてきた。
それが叶う。
嬉しいはずなのに、やっとお父さんに会えるのに、どうしてだろう。心は自然と落ち着いている。嬉しいのは本当。お父さんが心配なのも、本当だ。
…お父さんは何て言うかな。……ご主人様を好きになってしまった私を、認めてくれるのかな。
少し、いや大部不安になってきた。
「命に別状はねぇよ。だが、痩せてはいたな」
「え、会ったんですか?」
「信洋のスマホ越しに」
「そうなんですか…」
頭をくしゃくしゃに撫でられる。
「心配するな。親父さんは、お前のことを第一に考えていた」
「はい」
微笑んだ季龍さんに抱き寄せられる。
「もう寝ろ。明日も早い」
頷いて目を閉じる。フッと季龍さんが笑ったような気配がしたような気がした。