私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
視線が重なったのはいいものの、なにも話さない季龍さんにだんだん居心地が悪くなっていく。視線をそっとそらしながらくるくると頭を回す。
これは私から話しかけるべき?というより謝るべき?
…甘えるべき?うぅんとでも拒まれたら傷つく。どうしよう。どれが正解なのかな?
必死に考えていると、頭上から笑い声が聞こえてくる。…季龍さんは口元を押さえて笑ってた。
「怒ってないんですか?」
「…っくく」
「っもう!!心配したんですよ!?」
季龍さんの襟をつかんで怒ると、遠慮なく笑い声を上げる季龍さんの胸をポカポカ叩いてもびくともしない。
今までずっと機嫌が悪い振りをしてたってこと?
演技力の高さを披露してくれなくていいのに…。
目に涙まで浮かべる季龍さんに更にカチンと来たのを自覚したけど、頭に乗った重みに怒りがすっと静まっていくような気がした。