私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「お前の反応がいいのが悪い」
「んな!?…シュークリーム買ってくれるまで許さないですから!」
思わず叫んだ言葉に季龍さんは急に言葉をつまらせる。…私、変なこと言った?
季龍さんは何かを言いかけて口を閉ざし、私の頭をくしゃくしゃに撫でる。そのせいでまともに季龍さんの顔も見れない。
「シュークリームな。…食意地張ってんだもんな」
「っそういう意味じゃないです!!」
季龍さんの手を振り払うほど強く顔を上げると、季龍さんはまた笑っていた。面白くて仕方ないというように。…でも、その顔が少し、少しだけ寂しそうに見えるのはどうして?
「見えてきたよ、ここちゃん」
信洋さんの言葉に顔を前に向けると、大きな病院が見えてきた。私が生まれ育った街の、一番大きい総合病院だった。