私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

気づいたら朝になっていて。琴音が目を覚ます前に部屋を出たものの、襲ってきた眠気にその場で倒れそうだった。

あくびを噛み殺し、自分の部屋に向かっていると、庭に平沢の姿が見えた。

タバコ口にくわえたままなんかを見ているのか、しゃがんで熱心に視線を向けていた。

「…平沢?」

「あ?」

声をかけた瞬間、しまったと言いかけそうになったのを堪える。

平沢とはあの1件以来ほとんど話すどころかとくに顔も合わせてねぇんだった。

眠すぎてろくに頭回ってねぇ…。話しかけたからにはそのままなかったことにして離れるわけにもいかず、足を止める。

その時、平沢の足元にいる毛玉に呆気にとられる。

「…ネコ?」

それも、子ネコだな…。ってなんでここにネコがいるんだ!?しかも、平沢が餌付けしてんのか?

「ミ~」

「あ?もうねぇぞ。あんま食うとデブになんだろうが」

「ミィ~」

ゴロゴロ喉を鳴らしながら平沢の手に頭をこすり付ける子ネコ。怖いもの知らずか…。
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