私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

…あれから変わったことは2つ。

1つは、あれ以来何かのストッパーが壊れたのか私は酷く涙もろくなった。それも、ドラマや小説を読んでいるだけで泣けてきてしまうほどに。

泣けなかったなんて、今では信じてもらえないほどの泣き虫だ。

もう1つは、いわいるPDSD、外傷後ストレス障害と診断を受けた。その影響ははかり知れず、時々パニックを起こすことも度々あった。

その度に介抱してくれた成夜のおかげでなんとか落ち着いたものの、地元に戻ってきたことで気が緩んだのか、私が受けていたストレスは波並半端なものではなかったと思い知るはめになった。

それは今でも時々パニックを起こすほど、生活に支障が出ていた。

そして、未練たらしいのか、私は季龍さんに与えられていたものを捨てられずにいた。

ネックレスも、指輪も、ずっとずっと肌身離さず持っていた。そうしていれば、季龍さんが迎えに来てくれるんじゃないかって、思ってしまっている私がいた。

でも、そんなこと起こるわけがなくて、こうして今日、結婚式を迎えている。
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